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学校保健部幼稚園特別支援教育研究会(幼支研)の内容について
学校保健部幼稚園特別支援教育研究会(幼支研) の内容について
東京都理学療法士協会
スポーツ局 学校保健部
部長 伊東 彰
学校保健部幼稚園特別支援教育研究会(幼支研)の内容について(PDF)
学校から医療・医療から学校への円滑な循環システム構築のため、幅広い調査・資料収集を実施して、より効果的なサポート活動を行うための基礎的情報とする目的で行った。
昨年度から今年度にかけて健常児だけでなく、発達障害児についても理学療法士としての関わりについて考える必要性から幼稚園特別支援教育研究会(幼支研)の講習会に参加して、幼稚園から小学校への特別支援教育の在り方、フォローアップの仕方などを学び、今後の学校保健部に役立てるものである。
第1回(平成30年6月28日)
『特別支援の必要な子供を含めた学級経営』
『支援児をめぐる環境を整える』
東京家政大学特任准教授 塚本美起子先生
特別支援教室巡回指導教員 奥山 文子先生
臨床発達心理士 池田 敬史先生
支援の必要な子どもを含めた学級運営について、1人1人が安心できる環境、自分の遊びを本気で楽しめる援助が大切であり、学級全体の流れを大切にしながら、個人を尊重するという観点が重要である。
スペシャルデザイン(障がいのある子)も大切、ユニバーサルデザイン(周りの子)も大切。支援の必要な子に注目して何とかしようと考えるより、学級の全員が楽しく遊べるように援助を考える事で子ども達は育ちあう。どの子も自分は先生に大切にされている実感できることが自分とは違う友達を認め、大切に出来る学級になり、育ちあう事に繋がる。
聴覚、視覚、知的、学習、自閉等の障がい児にとって、何を支援したらできるのかを評価し、環境構成、準備をすることで問題なく行動できる。
第2回(平成30年11月29日)
『支援児を巡る環境を考える』~保護者の気持ちに寄り添う~
『医療的ケアって何?』
前目黒区立ひがしやま幼稚園園長 都築 圭子先生
特別支援教室巡回指導教員 奥山 文子先生
臨床発達心理士 池田 敬史先生
障がいを疑われる児が幼稚園などの入園時や小学校への入学時に親は神経質になる。発達障がいが疑われる児童は育てにくい子が多く、親は周りからの好奇の目にさらされている。
親の思いをくみ取りながら児の学校内での生活環境を整備することでより良い発達を促すことができることを提示される
第3回(平成31年2月21日)
『もしも願いがかなうなら』~先輩ママたちのメッセージ~
『多様なセクシャリティー(性のあり方)について』
言語聴覚士 菅野 百合子先生
臨床発達心理士 池田 敬史先生
発達障がいの中で言語発達に障がいを持つ児に対する接し方について絵本を使用して視覚・聴覚・発声を使っての言語教育などについての講義であった。事例紹介などで児に合わせてストレスをかけないようにしながらの指導などについて講習を受ける。
後半は『性のあり方について』はこれまでの性のあり方から、現在では性の多様性が社会的に認知されるようになり、幼児・児童期からこれらに対する注意、指導の難しさが出てきている。男らしさ、女らしさの押し付けが子供を苦しめていることを制服などの多様化(女子生徒のパンツスーツ、ブルマの排除等)を通して解説を受ける。今後はジェンダーフリーの概念が必要になってくる
今年度1年を通して参加した。発達障がい児の教育に関しては普通学校でも無関係ではなくなった。東京都内においては1校につき特別支援学級が1教室整備されるようになっている。教員の先生方にとっては、発達障がい児の教育という未知の領域が広がってきている。当学校保健部としては普通学校への参入をもくろむうえで健常児だけではなく、発達障がい児に対する教育姿勢、手法を習得することでより参入のしやすさ、医療機関との連携を図る上でもこれらの講義を受けることは重要であると考える。