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第43回 国際福祉機器展視察報告 ~理学療法関連機器開発委員会

平成28年10月12日から14日までの3日間、東京ビックサイトにて開催された国際福祉機器展を視察しました。今年度の3日間の累計来場者数は112,752人でした。

今年度は、高齢者や障がいのある方々がこれまでよりも、より快適に楽しく生活できるような機器展示が増加した印象を持ちました。そのように感じた理由は、様々な機器が機能性に加え、洗練されたデザイン、スリム化されていたことです。以下に一部ですがご紹介いたします。

まず、移乗機器ですが、ベッドが車椅子へと分離するもの、これまでよりも操作や手順が簡素化されたものなど、介護される方、介護する方お互いの負担が軽減される機器がより増えていました。

移動機器では、大車輪がユニット化され、狭いスペースでは大車輪を外して移動できる車椅子や電動車椅子の中には四輪駆動で安定した走破性を持ち、前輪タイヤに工夫がなされ方向転換時の回転半径が省スペース化されていました。それぞれは外観上のデザインが洗練され、利用者の気持ちも変化させる可能性を感じました。利用者・介護者双方にとって快適に外出できる機会を広げていくと感じました。また、電動アシストでの歩行器は、歩行能力に合わせてアシストの段階を変えることができるものが商品化されていました。

福祉車両ブースでは、運転補助装置付きの車両展示も豊富になってきました。これまでは身体に障がいのある方がいかに楽に乗降するか、車椅子収納の介助量がいかに軽減するかが主眼であった車でした。今回は身体に障がいのある方がいかに自ら運転して外出するかという方向に、舵がきられた印象をもちました。

今回の機器展から、さまざまな理由で身体を動かすことが不自由な方々が、快適に安全に生活を送ることができるよう、私たち理学療法士は機器の進化に劣ることのないように、介護に携わる方やご家族なども含めて支援していきたいと思います。

*国際福祉機器展は原則撮影禁止のため、機器の写真掲載はしておりません。

なお、国際福祉機器展の詳細は保健福祉広報協会ホームページ http://www.hcr.or.jpをご覧ください。

 

担当:理学療法関連機器開発委員会

小川 智美