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公開講座「応用行動分析による発達支援と問題解決」「学校保健における学校教諭と理学療法士の協働に向けて必要なこと」開催報告

会期:平成28年1月29日(日)

場所:東京医科歯科大学

参加者:学校教諭11名、理学療法士18名(ワークショップ開催のため参加人数制限あり)

講師:慶應義塾大学文学部教授 山本淳一 先生

内容:<第1部:講演>

テーマ:「明日からできる応用行動分析による発達支援と問題解決」

<第2部:ワークショップ>

テーマ:「学校保健における学校教諭と理学療法士の協働に向けて必要なこと」

概要報告

第1部では、応用行動分析学の基礎から発達支援教育における具体的な問題解決につながる活用方法までをご教示いただきました。また、応用行動分析学が多職種間連携における共有できるプラットホームになることをご教示いただきました。

第2部では、参加いただいた教諭・理学療法士が混合となった5グループに分かれ、KJ法によりワークショップを行いました。まずは、各々が「学校保健における他職種への要望や質問」をそれぞれが付箋に書き出し、お互いの意見を共有しながらグルーピングを行い、それらに対する対応策や課題について話し合い、最後にグループで意見集約された内容を発表していただきました。

その中で全てのグループから、「学校教諭および理学療法士ともに他職種のことをよく理解できていないことがよく分かった」という意見があがりました。また、「だからこそ、この度のワークショップが互いの専門性を知り得る貴重な機会となり、今後の学校保健における互いの協働に大きな一歩となった」という意見も全てのグループ発表から聞くことができました。さらに、学校教諭からは「今後、学校保健において理学療法士に相談する場合、どのような手筈を踏めば良いのか?」など今後の活動において具体的な質問も多く挙がりました。さらに、今後の課題として、「私たち理学療法士自身が理学療法の専門性を学校教諭の皆様に分かりやすく提示する必要があること」や「学校保健に理学療法士が関与することによるメリットを実績として示すこと」などが挙げられました。

最後に、本公開講座を開催して一番印象的だったことは、学校教諭の皆様から「ぜひ、理学療法士にはもっと学校に来ていただきたい」との意見を多くいただいたことです。これらより、本公開講座開催の目的である「学校保健における学校教諭と理学療法士の協働」に向け、まずは互いの顔と顔がわかる関係性を創ることができた貴重な機会となったと思いました。

引き続き、都民の皆様からのご要望にお応えできる公開講座を運営させていただきます(ご要望は本会事務局まで連絡を戴けますと幸いです)。会員の皆様におかれましては、引き続き、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

(報告者:公開講座準備委員 玉川病院 永松香穂)